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 本阿弥書店月刊誌 「俳壇」 より

本阿弥書店



滑稽俳壇  2018年1月号  八木健 選

四月号から「微苦笑俳壇」は、「滑稽俳壇」に名称が変わっています。

●特選


  出来ちゃった婚の優勢神の留守 / 西田唯士


  昨今、出雲大社での談合結果は軽視される傾向にある。
  最近の結婚の四分の一は、
  「出来ちゃった婚」との統計も。
  今更言い争っても仕方がないと神様も諦めがちだが、
  出来ちゃった婚は離婚率が高いのが残念。






  親の寿命見定めに来る年賀かな / 横山喜三郎


  日常的に高齢の両親の面倒を見ることのできない子ども達。
  しかし、盆と正月には顔を見にくる。
  「まだまだ元気だ。放っておいても大丈夫」。
  よし、今度来た時は、布団の中で
  寝付いたフリをしてやるからな。






  体育の日と筋肉痛癒す日と / 小田虎賢


  「体育の日」の行事に参加すれば、
  当然、筋肉痛になるわね。よって後日に、
  「筋肉痛癒し日」という国民の祝日が必要である。
  すぐ翌日に筋肉痛が出るのは若い人らしいから、
  二、三日後に設定してもらおう。
  






 ●秀逸

弾道ミサイル迎撃ミサイルばったんこ 早川 寶
鯛焼のちと厄介な半分こ 竹村清繁
秋の夜の酒盗なんとも罪つくり 荒川清司
木枯の二号と酒を酌む余裕 柳村光寛
おでん屋へ眠気を覚ます退社ベル 柳 紅生
打診せずパソコン見る医うすら寒 西尾泰一
強情やへばりつきたる濡れ落葉 稲葉純子
雪吊りの木々見て肩を凝らしけり 柏原才子

 ●入選
威銃試射で主人を先づ威し 壽命秀次
気がつけば匍匐前進茸狩 阿部鯉昇
焼きたての芋もてあます両手かな 越前春生
妄想も構想となる文化の日 森 泰博
悪口から戦争になる神の留守 久松久子
木通割れどれもなにかを待つ形 阪根瞳水
羽根省く職場の赤い羽根募金 細川てつや
何事もスマホに頼り文化の日 石川 昇
てきぱきと片す斎場うそ寒し 加藤 賢
石仏に愚痴をこぼしぬ草の絮 馬場菊子

【筆まかせ】八木健(滑稽俳句協会会長)近詠

マイクテストは本日晴天運動会 決断力なくて結局穴まどひ
祭笛爺がひよろひよろ吹いて見せ 静電気パチパチ褒める新コート
好奇心溢れるタイプ赤とんぼ 練習のし過ぎの本末転倒スケーター
ボクサーの構へ崩さず枯蟷螂 深秋のドアに待ち伏せ静電気
人工知能を備へりや怖い菊人形 擬人化でスノータイヤを履き替える
ひとりよがりで自信過剰か道をしへ
俳人のそはそはそはと十三夜
じつとして爺は巌に日向ぼこ
お茶漬けがいちばん美味い今年米
利き酒に喉を鳴らして左党かな