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糟糠の妻の朝寝につまづきぬ 二丁目の猫五丁目に恋をして 逃げ足のどれが百足の第一歩 自分史はいま終章の紙魚走る 詩を詠んでをれば草でも引けと言ふ 身八つ口あふいで背ナに団扇風 松茸山制札なくば知れぬのに 白息のしどろもどろに遅刻の子 人肌の燗を所望と雪女郎 日記買ふ妻無駄と言ふさう思ふ
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咲けるだけ咲かそうクレヨンのチューリップ
加藤潤子
べつたりと貼り付くやうに春の風邪
岡本やすし
着ぶくれて自転車またぐよいしょかな
上山美穂
大根一本初めてのおつかいの
上甲 彰
初めてのおつかいでは複雑な買い物は難しい。よく知っていて分かりやすい物がいい。しかし、達成感も持たせたい。それには大根が最適なのだ。
蕎麦湯のむ湯気に眼鏡は眠くなり
土屋泰山
湯気にくもった眼鏡を眠そうとは、ただならぬ感性である。擬人化は滑稽句の得意技だが、この句には作者自身と眼鏡が一体化した面白さも。
凍て進む漬物石の重さにも
工藤泰子
寒くなったから漬物石が重くなるというのは「巧妙な嘘」である。全く科学的ではないが、詩人、俳人、芸術家にとっては真実なのである。
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