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154回 俳句遊遊

145回 川柳天国


   
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第十七回滑稽俳句大賞 作品募集
 
 

第十二回滑稽俳句協会報年間大賞決定!
 
天 賞 田中やすあき(埼玉県)
「犬掻きの鼻先に来る夏の波」
地 賞 北熊紀生(東京都)
  「霜柱踏まねば損をするやうな」
人 賞 長井多可志(千葉県)
  「落葉にもA面B面ありにけり」

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今月の特選句

咲けるだけ咲かそうクレヨンのチューリップ

加藤潤子

子どもがチューリップを描いているのを見てると楽しくなってきた。いいね、いいね。もっともっと咲かせてごらんよ。画用紙はお花畑だね。

べつたりと貼り付くやうに春の風邪

岡本やすし

「べったりと」がいいね。何とも言えない体のだるさと陰鬱な気分がよく出ている。春の風邪の執拗を写生句にするという冒険が成功している。

着ぶくれて自転車またぐよいしょかな

上山美穂

「よいしょ」がとてもいい。無意識に口走ったつぶやきをうまく使って面白い句となった。もっと着ぶくれてもっと重くなると「どっこいしょ」となる。

大根一本初めてのおつかいの

上甲 彰

初めてのおつかいでは複雑な買い物は難しい。よく知っていて分かりやすい物がいい。しかし、達成感も持たせたい。それには大根が最適なのだ。

蕎麦湯のむ湯気に眼鏡は眠くなり

土屋泰山

湯気にくもった眼鏡を眠そうとは、ただならぬ感性である。擬人化は滑稽句の得意技だが、この句には作者自身と眼鏡が一体化した面白さも。

凍て進む漬物石の重さにも

工藤泰子

寒くなったから漬物石が重くなるというのは「巧妙な嘘」である。全く科学的ではないが、詩人、俳人、芸術家にとっては真実なのである。


 今月の秀逸句  七七をつけてみました

 
  旗一本でニホンを祝ふお正月 相原共良
    ・・・日本と二本うまく掛けたな
 
  その色をきはめんとして白椿 相原共良
    ・・・白を極めて一流の画家
 
  青天へ梅一輪の得意顔 大林和代
    ・・・ツンとすまして香を放つ
 
  吾が胸や寒夕焼を収めたる 田中 勇
    ・・・内に秘めたる熱き思いよ
 
  不器用なままの笑顔や初鏡 桜井美千
    ・・・高倉健のやうな笑みかな
 
  大凶のみくじを入れて春財布 白井道義
    ・・・財布の中で大吉になれ
 
  新聞の求人欄に冬の蠅 月城花風
    ・・・丹念に読む失業の蠅
 
  春一番めでたいことのやうに言ふ 日根野聖子
    ・・・さう言ふ人が一番メデタイ
 
  人生の切り札あるか春の暮 谷本 宴
    ・・・暗過ぎもせず明るくもなく
 
  割箸で指揮する男年忘 尚山和桜
    ・・・第九に反応してゐるらしく
 
  冬あたたか親子の象の尻ならべ 名本敦子
    ・・・ほつとひと時家族団らん
 
  霜ほどの雪にビビッている都心 青木輝子
    ・・・あきれて見てゐる雪国の人
 
  たいがいは許せる歳や千代の春 井口夏子
    ・・・酸いも甘いもしかと噛み分け


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