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161回 俳句遊遊

151回 川柳天国


   
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第十七 回滑稽俳句大賞審査結果発表
大賞は木村たけまの作品に決定致しました!
大賞 大 賞 木村たけま (山口県)

糟糠の妻の朝寝につまづきぬ
二丁目の猫五丁目に恋をして
逃げ足のどれが百足の第一歩
自分史はいま終章の紙魚走る
詩を詠んでをれば草でも引けと言ふ
身八つ口あふいで背ナに団扇風
松茸山制札なくば知れぬのに
白息のしどろもどろに遅刻の子
人肌の燗を所望と雪女郎
日記買ふ妻無駄と言ふさう思ふ


詳細および入賞作品はこちら   
 

第十三回滑稽俳句協会報年間大賞決定!
 
天 賞 森岡香代子(愛媛県)
「何処へいく木の葉のきつぷ風の駅」
地 賞 日根野聖子(愛媛県)
  「走り梅雨歩き梅雨つてあるのかな」
人 賞 上甲彰(愛媛県)
  「大根一本初めてのおつかいの」

詳細はこちら   
 

今月の特選句

煩悩をダブルクリック神の留守

遠藤真太郎

神様が出雲にお出かけの間は、のびのびと煩悩を開放する のだ。パソコンの中の文書やフォルダーを開く時に、マウスを ダブルクリックするように。

学食のカレー不味くも天高し

敷島鐡嶺

学食のカレーは、やたら辛くて肉も野菜も少ない。味よりも安 さを優先するから仕方ない。贅沢はできないが、学生には若さ と希望がある。

そうか夜露に濡れて我を待つのか

沖枇杷夫

こんな台詞を言ってみたいものだが、夜露に濡れながらもじっ と恋人を待つのは、昭和世代の人だけかも。今はLINEで「遅 れるなら帰るわね」。

国道二四六沿いの神社へ七五三

奥野元喜

数字を使って面白い句になった。句にまとまるまで四苦八苦、七転八倒したかもしれない。滑稽俳句大賞に応募して一攫千金を狙ってください。

案山子は思ふ学校に行つてみたい

日根野聖子

案山子は、役目が終れば捨て案山子にされる。人間の子はいいなあ、友達がいていいなあ。よくぞ案山子の気持ちになりましたね。優しい滑稽句。

障子貼り世の中狭くなりにけり

髙田敏男

障子を貼り終えると、すべての障子を閉めきって出来栄えを眺める。夏の間は開け放したままにしていたが、これからは世間と隔絶するのである。


 今月の秀逸句  七七をつけてみました

 
  お喋りの老婆三人みな案山子 桜井美千
    ・・・うつかり道を訊きさうになり
 
  女子高に堂々入れる文化祭 池嶋久春
    ・・・嬉しいけれど気恥づかしくて
 
  メガネマスク補聴器ピアス耳多忙 青木輝子
    ・・・ヘッドホンするゆとりはないね
 
  置手紙即ち夏の恋終わる 池田奈美子
    ・・・秋に始まる新しい恋
 
  もし月に行ったらできぬ月見酒 永井流運
    ・・・月に到着まづは祝宴
 
  懐手合点承知には非ず 西野周次
    ・・・指で足し算引き算をして
 
  睡蓮の池の濁りもモネの真似 工藤泰子
    ・・・絵を描く人の芸のこまやか
 
  全力で太った冬瓜は重い 鈴木和枝
    ・・・生命力の重さにあらむ
 
  コスモスやゆく先々は風の村 井口夏子
    ・・・風に揺られてこそのコスモス
 
  囲われて街の中なる月見風呂 伊藤浩睦
    ・・・夜空も四角に切り取られをり
 
  秋彼岸父母の墓前で子に戻り 稲葉純子
    ・・・彼岸過ぎればまた親となり
 
  台風は都会と田舎を区別せず 上山美穂
    ・・・公平たるを信条として
 
  長き夜の力絞りて一句成す 久松久子
    ・・・短夜ならば字足らずの句に


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