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148回 俳句遊遊

138回 川柳天国


   
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第十六 回滑稽俳句大賞審査結果発表
大賞は山下遊児の作品に決定致しました!
大賞 大 賞 山下遊児 (神奈川県)

山笑ふ使ひ古しの膝もまた
集団で立たされてゐる葱坊主
くちびるをキスのかたちに五月鯉
虫干の中に加はる爺と婆
マイホーム背中に乗せて蝸牛
前世は伊賀か甲賀か水澄し
政治家が持てば氷菓のマイクめく
秋扇たためば孫の手となりぬ
犬用のおしつこシート踏んで冬
節電の為と夫婦で日向ぼこ


詳細および入賞作品はこちら   
 

第十一回滑稽俳句協会報年間大賞決定!
 
天 賞 工藤泰子(岡山県)
「なかほどにお詰め下さい鰯雲」
地 賞 上山美穂(愛媛県)
  「電柱も棒立ちとなり冬の朝」
人 賞 森岡香代子(愛媛県)
 

「ほんとうはみんなかなづち鯉幟」


詳細はこちら   
 

今月の特選句

圧倒的に粒あんが好き柏餅

加藤潤子

「圧倒的に」がいいね。「絶対に」とか「特別に」などとすれば普 通である。言葉を自分流に使いこなせると、個性的な句が作 れる。

アマリリス江戸の太夫でありんすか

敷島鐵嶺

「太夫」とは、江戸時代の最高位の遊女や芸妓のこと。容姿端 麗のみならず、幅広い教養を持っていた。花の華やかさが直 観的に作らせた句。

空つぽの香水瓶にある青春

和田のり子

香水瓶は空き瓶となっても香るものである。それはいつまでも 脳裏に残る青春の思い出にも似ている。かすかだが、決して 消えることはないのだ。

大夕立花壇の花に深情け

吉川正紀子

一雨欲しい花壇の花たちに、水分補給してやろうという夕立。 手加減を知らぬから、ついついサービス過剰となる。情け容 赦もない降り方となる。

宅地化を厭ふひまはり手をつなぎ

横山洋子

ご近所の人達を楽しませてくれていた向日葵も、今年が見納 め。どうも宅地になるらしいよ。立ち話を耳にした向日葵たち が団結して抗議。

打水の庭に日陰の色拡げ

柳 紅生

打ち水をすると地表の温度が下がるが、見た目に涼しさを演 出するものでもある。水のかすかな影の色を「日陰の色」と名 付けて詩になった。


 今月の秀逸句  七七をつけてみました

 
  脳細胞ひとつづつ萎え炎天下 稲葉純子
    ・・・夏でなくても萎えていくのに
 
  古来地球は平でありぬ夏の海 桑田愛子
    ・・・地球が丸いなんて嘘よね
 
  新緑の勢い吾にのしかかる 太田和子
    ・・・生命力てふ威力に勝てぬ
 
  噛みつかれさうな立夏のにぎり飯 椋本望生
    ・・・負けるものかと口を全開
 
  涼風をくるりと巻くや象の鼻 上山美穂
    ・・・なんと見事な鼻れ技だね
 
  蜜豆のパフェ化どこまで許すべき 工藤泰子
    ・・・パフェになつたら季語じやなくなる
 
  隣席の客よく喋る夏料理 鈴鹿洋子
    ・・・耳栓するのもひとつの手立て
 
  百姓が米買う五キロのコシヒカリ 鈴木和枝
    ・・・罪悪感やら情けないやら
 
  五月晴地球にいいこと考へる 髙須賀渓山
    ・・・こんなに青い空を守らむ
 
  伸び伸びと育つゴム紐夏帽子 相原共良
    ・・・子らものびのび育つといいね
 
  父の日や健康器具がまた増えて 長井多可志
    ・・・棚に飾つて眺めています
 
  あぢさゐややなせたかしの詩が好き ほりもとちか
    ・・・僕は詩よりもアンパンが好き
 
  薫風がジグザグに過ぐ皺(しわ)の面 南とんぼ
    ・・・子どもの頬はつるりとすべり


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