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145回 俳句遊遊

135回 川柳天国


   
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第十六回滑稽俳句大賞 作品募集!

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第十一回滑稽俳句協会報年間大賞決定!
 
天 賞 工藤泰子(岡山県)
「なかほどにお詰め下さい鰯雲」
地 賞 上山美穂(愛媛県)
  「電柱も棒立ちとなり冬の朝」
人 賞 森岡香代子(愛媛県)
 

「ほんとうはみんなかなづち鯉幟」


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今月の特選句

春めきて空裏返すファルセット

工藤泰子

ファルセットは声楽用語で裏声のこと。明るく突き抜ける高い 音階だ。声を裏返すことではなく、空を裏返すことを詠んで詩 になった。

裏金がドカンと表へ闇の春

和田のり子

裏と表を巧みに使いこなし、時事句としても意味深い。しかも 春の明るさを全否定して「闇の春」としたところに言語感覚の 冴がある。

情報は穴から仕入れ春障子

髙田敏男

春になれば世間の動きも活発になる。しかし、重要な情報ほ ど隠されているもの。こっそり傍受するのに障子の穴は最良 の方法である。

戯言を次々空へシャボン玉

卯之町空

シャボン玉は弾けるもので、実体はほんのつかの間。たわい ない会話もその場限りで紙に書いておくほどではない。身軽、 気軽の楽しさよ。

社員駒栄転左遷四月尽

青木輝子

四月は、人事異動の時期。人も流れ涙も流れる。栄転左遷の 悲喜劇も社員は企業の駒として逆らうことのできぬ習い。駒の 哀しさに共感。

おもちやみたいな犬のお散歩春うらら

小笠原満喜恵

トイプードルのことだろうか。寒い時期の散歩は風邪をひかぬ ようにと洋服を着せてもらう。春になれば重いコートを脱げて 嬉しいね。


 今月の秀逸句  七七をつけてみました

 
  一〇〇%充電完了春立つや 沖枇杷夫
    ・・・気力体力横綱並みよ
 
  おやつ前おやつの後も春眠し 八塚一靑
    ・・・おやつ食べ食べうとうとしたね
 
  指までもしゃぶって旨し桜餅 久我正明
    ・・・アイスクリームのふたも舐めたい
 
  空っぽの風や目刺の穴をふく 井口夏子
    ・・・虚しさかかえる人の闇にも
 
  初音なり不器用なれどほんものの 岡本やすし
    ・・・天然ものは一味違ふ
 
  人間の諍ひ溶かせ福寿草 髙須賀渓山
    ・・・花にも耳があれば気の毒
 
  荷風忌の踊り子ガムをくちやくちやと 荒井 類
    ・・・世を拗ねながら世に媚びもして
 
  リトルリーグの声がうるさい花曇 黒田恵美子
    ・・・大志を抱き大谷めざす
 
  よろず屋の今は自販機春寒し 長井多可志
    ・・・無人やセルフもてはやされて
 
  萌ゆる地球むずむずしてゐたり 西野周次
    ・・・俳句つくれと草も地球も
 
  引き潮の曳き残してか桜貝 南とんぼ
    ・・・強き決意で浜に残るや
 
  手か箸か鶯餅を摘まむもの 伊藤浩睦
    ・・・トングを使ふといふ手もあるね
 
  春が来る窓の木蓮ふくらませ 梅野光子
    ・・・自慢の花に鼻もふくらむ


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