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163回 俳句遊遊

153回 川柳天国


   
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第十七 回滑稽俳句大賞審査結果発表
大賞は木村たけまの作品に決定致しました!
大賞 大 賞 木村たけま (山口県)

糟糠の妻の朝寝につまづきぬ
二丁目の猫五丁目に恋をして
逃げ足のどれが百足の第一歩
自分史はいま終章の紙魚走る
詩を詠んでをれば草でも引けと言ふ
身八つ口あふいで背ナに団扇風
松茸山制札なくば知れぬのに
白息のしどろもどろに遅刻の子
人肌の燗を所望と雪女郎
日記買ふ妻無駄と言ふさう思ふ


詳細および入賞作品はこちら   
 

第十三回滑稽俳句協会報年間大賞決定!
 
天 賞 森岡香代子(愛媛県)
「何処へいく木の葉のきつぷ風の駅」
地 賞 日根野聖子(愛媛県)
  「走り梅雨歩き梅雨つてあるのかな」
人 賞 上甲彰(愛媛県)
  「大根一本初めてのおつかいの」

詳細はこちら   
 

今月の特選句

平和な国の機動隊員熊を撃つ

南とんぼ

警察官は、訓練以外に実弾を使用することは殆どない。最近 の熊騒動で、実弾を使っての射撃の機会が増える。人を撃つ 必要のない国でありたい。

四股の足真っ直ぐあげて体育の日

谷本 宴

四股は、下半身が安定し、体の軸がしっかりしていないと足を 高く上げられない。相撲だけでなく、筋トレとしても優れている が、集中力も上がる。

掘炬燵リモコン持ちて立てこもり

池嶋久春

立っている人は親でも使え。というのは炬燵で生まれた言葉 かも知れぬ。掘り炬燵の心地よさは人間を横着にする。「立て こもり」が可笑しいね。

銀杏を踏んだ靴なら乗車拒否

加藤潤子

「お客さん、銀杏踏んでないでしょうね」。銀杏の木のある所で お客さんを拾うタクシーは、行き先よりも、靴の確認をするの が最優先である。

ワンカップ大関自販機で買ふ勤労日

髙田敏男

ワンカップ大関の酒は、自分へのささやかなご褒美である。日 頃の働きぶりからすれば、一ダースくらい買ってもいいが、今 日は一つでよしとする。

あといくつ寝れば冥界冬隣

敷島鐵嶺

秋も深まり冬はすぐそこ。人生も季節に例えれば、今まさに晩 秋となった。しかし、老いも死も衰退ではなく成熟であり人間 的完成と思いたい。


 今月の秀逸句  七七をつけてみました

 
  朝食は薬八錠年の暮 太田辰砂
    ・・・数へてる時声かけないで
 
  稲の穂や五円玉には穴のあり 工藤泰子
    ・・・稲穂と水と歯車描かれ
 
  人の世と案山子の世にある使い捨て 青木輝子
    ・・・忘るべからず感謝の気持ち
 
  胸算用叶はぬままに大晦日 糸賀幸剣
    ・・・狸の皮でも数へませうか
 
  銀杏発見宝探しの茶碗蒸し 上山美穂
    ・・・ここら辺りと狙ひて掘りし
 
  おでん酒噂話が寄ってくる 永井流運
    ・・・噂のネタを懐に入れ
 
  穂芒はおいでおいでと満月に 鈴木和枝
    ・・・日本各地の芒に呼ばれ
 
  この道や行きも帰りも赤蜻蛉 池田奈美子
    ・・・見送る役と迎へる役と
 
  神の旅神専用機の雲に乗り 井野ひろみ
    ・・・座席のクッションふわふわで
 
  干柿やお天道様の愛甘し 卯之町空
    ・・・硬い体も柔らかにして
 
  今朝の秋試めしてみるかセルフレジ 朧 潤
    ・・・エコバッグ手にいざ出発だ
 
  コロッケの衣ぶ厚く秋太し 桑田愛子
    ・・・ダウンジャケット着せてるみたい
 
  我が妻を誘惑に来る焼藷屋 壽命秀次
    ・・・甘い誘ひを断り切れず


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