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犬掻きの鼻先に来る夏の波
わらつちやうくらい金持ち黄金虫
私からこぼれたやうに花柘榴
水割に夏の音させショットバー
天守閣でんぐり返し夏燕
無尽蔵の滝浴び心無一物
夏草を雑草と呼ぶ大雑把
我が影の我を離れぬ大暑かな
人間なのに羽根の付け根が暑い
山開き石槌の山歳取らず
蛙にまだ告げてない田はやめました
この汗が生きてる証拠滴れる
怠けてもみんな猛暑の所為になる
枝豆で語る天下も身の上も
先頭のボスが引っぱり鰯雲
神様のオンオフ蝉の鳴き止むは
台風や球種覚えてクネクネと
秋桜や女子会のごとざわめきぬ
神様は軽トラに乗り秋祭
天の川死は平等に訪れる
割り勘に端数のできて十三夜
まるごとの栗が嬉しい栗ご飯
秋の浜誰にも見せぬ膝小僧
全山に放火たくらむ七かまど
ガザの地を戦争で知る冬来たる
拙宅の補正予算で熊手買ふ
跡形もなく蟷螂の食はれけり
新札へ替へる札なく年用意
古典的貌に行きつく菊人形
霜柱踏まねば損をするやうな
落葉にもA面B面ありにけり
文化の日知事の失言じゃこ天の
社会鍋小銭にかかる手数料
年用意掃除はさつささしすせそ
終活や帯はバッグに返り咲き
盤上に勝負師の指秋澄めり
残り物集めて担ぐ福袋
お飾の角度の調整エンドレス
いつぽんづつ広げて指の日向ぼこ
海霧や誰が引きしか国境
生ハムの薄さ際立つ冬ざれて
「アレ」ってあれのことかな日向ぼこ
伊予柑を置いて私の予約席
焼芋や右手左手右手くち
雁首を揃へ討たれし落椿
シャッターもこの私も冬さびて
真犯人わからずじまい春炬燵
みいつけたかくれんばうの藪椿
春めきて空裏返すファルセット
裏金がドカンと表へ闇の春
情報は穴から仕入れ春障子
戯言を次々空へシャボン玉
社員駒栄転左遷四月尽
おもちやみたいな犬のお散歩春うらら
ドーナツの穴まで食べたと四月馬鹿
歳時記のどこかにないか閏の日
雛の眉描く細筆の息止めて
餡パンの臍春風にくすぐられ
雷やおまへは空の地滑りか
熟年は完熟なるやトマト食む
逃水に正面あるや背ばかり
生ぬるい風を濾過する網戸かな
花曇わたし優しい人になる
放任主義の庭の青蔦のびのびと
よく伸ぶる腕よ蕨へつぎつぎと
ガラスコップの影透き通る聖五月
圧倒的に粒あんが好き柏餅
アマリリス江戸の太夫でありんすか
空つぽの香水瓶にある青春
大夕立花壇の花に深情け
宅地化を厭ふひまはり手をつなぎ
打水の庭に日陰の色拡げ |
田中やすあき
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