受賞の感想
文学は、読者に理解を委ねるものですが、文字数の少ない俳句は、その依存度が最も高くなります。「説明」を嫌う文学ですから、同じ五七五音字の川柳よりも、その割合は高くなります。
自分の意図の通りに解釈されて嬉しかったり、逆に全く理解されずにがっかりしたりということは、誰もが経験しているところでしょう。
いかに、言いたいことをうまく表現でき、うまく伝えられるか。発信と受信がピタリと決まり、五七五に込められた意味や情景など、謂わんとするところを確実に受け取っていただけたときの嬉しさは格別です。
誰に評価されずとも、自分の言いたいことを言い、使いたい言葉を使うんだ、という思いで俳句を作ってはいますが、賞をいただけるということは、やはり無条件にこの上ない喜びです。